22時間耐久寝台列車の旅 ひとりぼっちインディア09

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これまでの話

インド旅行も8日目を迎えだんだんとインドに疲れてきてしまった。

砂漠で野宿をするという目標を達成し、ジャイサルメールからデリーに戻る深夜特急に乗り込んだ。

前回の話

旅の目的

1日目

 おはようございます。

思いの外しっかりと眠ることができました。

寝てたら荷物を盗まれたっていう記事をどなたかのブログで拝見していたので、結構ドキドキしてたのに列車が揺れだしてからわりと爆睡だったのでとりあえず荷物の確認。

あれもこれも全部ある!よかった!私の危機管理能力・・・

 

朝日を眺めてぼんやりしてたらジョードプルに着きました。

この街を出発してまだ4、5日しか経ってないのにもうずいぶん前のことのような気がする。

ここの街最高だったな~ジョードプルは本当にもう1回じっくり見たい。2週間くらいぼんやりするのもいいかもしれない。

 

車内をチャイ屋が巡回し始めました。

私もチャイを1杯買います。

そして有り余る時間を本を読んで過ごすことにする。

 

日が昇るにつれて人が車内を動きはじめる。

弁当屋のおじさんが来たので弁当を1つ注文した。

 

しばらくすると弁当を持ってきてくれて、私のiPhoneを指してオレの写真を撮れって言ってきた。

今そういうテンションじゃないけどまあいいや。

カシャ

写真撮りましたよって画面を見せて、去っていくかと思いきやさあ一緒にセルフィーを撮ろうって言ってきた。

旅の序盤ならにこにこ撮っていたけれど、昨日から私はちょっとご機嫌斜めなのだ。

でも、こういうのは嫌って言うよりさっさと写真撮ってぱっと帰ってもらうほうが楽。

 

「はい、じゃあとるよ」

iPhoneの画面をこちらに向けて写真を撮ろうとすると、ブチュッと私の頬にキスをする弁当屋のおやじ。

 

え、ちょっとまって。まじでドン引きなんですけど。

口あんぐりで放心状態でいると、笑顔で帰っていきました。

お前らの文化としてキスが挨拶的なことなら許すけど、そうじゃないだろ?日本もだ!

旅行者に楽しいハプニングのつもりなんだろうか。

 

もうさ、いいけどさ。萎えるわ~

 

彼氏いなくて、もう誰かこっちを向いて~ウエルカム~!!とか思っていたけど、インドの弁当屋のオヤジは想定していなかったわ。

はあ、テンション下がる。

 

こうして私の対インド人への殻がより一層厚くなっていくのでした。

 

誰も話しかけてくるなモードLV2

 

それで、そのテンションで食べる弁当もマズイんだよね。

これはテンションの問題か、インド料理に飽きているのかもうどっちの問題か分からない。

 

到着予定は18時とかだったと思うんだけど、それを過ぎても到着する気配はなくさすがの私も本1冊読み終わった。

 

日も沈み、googleマップを見ているとそろそろデリーも近くはなってきているみたいでちょこちょこ駅に止まっていく。

 

きっともうすぐだと思う。

 

荷物をまとめはじめた。通りかかったお兄ちゃんにデリーってまだだよね?と聞くとあと3つだよといった。

それから私の荷物を見て置いてあった三脚を見つけ、

「お前のセルカ棒見せてよ!」

と話題を膨らませてくれた。いや、ちょっともう今日はあんまり人とはじめましてな話をするテンションじゃないんだけどな。

「セルカ棒持ってないよ」

「それだよ!それ!あ、セルカ棒じゃないのか」

「うん、違う」

「一緒に写真とろうぜ~

「うん」

向こうがスマホで2人のツーショットをとるけど、うんっていうだけでじゃあ私も!とか楽しそうな雰囲気は出さずにさっさとどこかに行ってくれるのを待つ。

嫌な態度をとるのはやっぱり悪い気がするから、嫌な態度にならないギリギリのラインで自分からは何一つ盛り上がらないように対応する。

だって、私が今不機嫌なのこの人に関係ないし、機嫌よかったら普通に一緒に写真撮るから。

 

私が話を膨らませないのでしばらくなにか色々話していたけど飽きて帰っていったみたい。

 

彼は斜め前の上の段の席の人だったらしく私の視界から少し外れたところに座った。

で、ヒンドゥー語か何かで私の方を見ながら誰かと電話しててセルフィーどうのこうのとか言ってるから、たぶん日本人がいてセルカ棒見せてもらおうと思ったんだけどね。セルカ棒じゃなくて三脚だったんだよ!わっはっは!!みたいな会話だろうと思うんだけど、たぶんこっち見ながらお前の話をしてるんだよアピールをしてきてる。

 

もうめんどくさいから気づいてないふりをしばらくしてたら、またこっちにやってきて私と横並びになってスマホの画面を向けてきた。

え、さっきセルフィー撮ったじゃん!っておもったら画面にしらないおじさんが写ってて、おじさんがハァイ!って手を振ってくる。

 

え、なにこれ。一緒にセルフィー撮りましょうの進化系の一緒にスカイプ出てください?

なんで私がしらない人と一緒にセルフィー撮らなきゃいけないのだし、100歩譲ってそれはいいとして、なんでその知らない人の知り合いのもっと知らない人とスカイプしなくちゃいけないんだ!!

 

sorry,no

もう誰も話しかけてくれるな!!

 

カバンを持って席を移った。

 

「おい、まだデリーじゃないぞ!!」

無言で彼から遠ざかる。

 

私さ、頑張ったつもりだけどちょっともう無理だわ。

 

誰も話しかけてくるなモードLV3

 

その後も移動した私を探しに来たりとか、たぶん悪い人ではないと思うんだけどめっちゃうざかった。

 

で、本当に誰とも目を合わせずに席に座っていたらようやくデリーに到着した。

なんと到着2230

ジャイサルメールから22時間近くかかりました。

座っていただけなのにめちゃめちゃ疲れた。

 

とりあえずデリーについたけど今日は朝インドの弁当食べただけで、ほかはほとんど何も食べていなかったので何か食べておくことにした。

 

マクドナルド。

私の一人旅ルールが実はいくつかあって、その1つに世界展開されているファーストフードでごはんを食べないっていうのがあったんだけど、それをとうとう反故にしてしまった。

 

これは私の中では飛行機の国内線使うのと同等の重罪です。

しかも注文したのがマハラジャバーガーとかなら情状酌量の余地もあったかもしれないけど、チキンバーガー。

はい!有罪!

 

まあ、仕方ない。今日はもう疲れているんだ・・・

 

うまくもないし、まずくもない。普通。

 

お腹が膨れたところで駅から宿に移動する。

といっても私は今日の宿はまだとっていないので、とりあえず安宿の集まるメインバザールへ向かう。

駅を出るとリキシャのおじさんが寄ってきてどこに行くんだ?ときいいてきた。

「メインバザール」

「ついてこい」

あるきはじめる。値段を聞くと相場はわからないけど絶対ボッているだろうっていう価格だった。

「やっぱいいや。ありがと。」

「おい!まてよ!!」

方向を替えてあるき出す。

 

また次の客引きが来る。

先ほどよりは安いけど、ちょっとまだ高い気がする。

そこに別の客引きがやってきて、

「メインバザール○○ルピー(忘れたけど最初の人の1/3くらい)だ」

OK!行く!」

「こっちだ」

「おい、待てよ!!」

 

横取りされたオヤジが後ろからクラクションを鳴らしながら煽ってくるけどそれを無視して冷静に発信させる客引き3のオヤジ。

「なんか怒ってるみたいだけど大丈夫かな・・・」

「いいんだよ、ほっとけ!」

 

この3人目の客引きのオヤジは運転がとても上手で、イライラしたりもしないし常に冷静。

自分からは話しかけてこないけど、すごくいい人だった。

「さっきさ、メインバザールまで○○ルピーって言われたんだよ」

「それは乗らなくて正解だね。いろんなやつがいるから気をつけなよ。メインバザール付近は渋滞するからふっかけてくるやつも多いかもね」

 

で、メインバザールは案外駅から離れていて、たどり着くまでにいくつかの観光地の前を通った。

暗くてよく見えなかったけど、そこの簡単な説明をしながらはしっていく。メインバザールからなら歩いてこれるから明日来てみるといいよとか。

 

メインバザールについたのは1時前になっていた。

これからゲストハウスを探さないといけない。

 

私は初日に1泊しているけど、そこは隣の部屋のインド人が無理やり部屋に入ってこようとしたりして絶対に戻りたくはない。

ゲストハウス自体はキレイだったし安くしてもらったしすごく良かったけど、とにかく客が最悪だった。

 

そこ以外となるともう私にはあてがないので歩いて探す。

 

深夜1時でも何人か客引きはいて、今まさに到着したよっていうリュックを背負った私に話しかけてくる。

明日は昼前にバックパッカー時代にカオサンで知り合った友達と再会する予定ですぐチェックアウトするので、部屋の広さキレイさは問わない。ただし、トイレとシャワーは部屋にある所が良い。できれば500ルピー。高くても800ルピー。

 

「やあ、ホテル探してるんだろ?紹介してもいい?うちはすごく清潔だしオススメだよ」

「いくら?」

850だ」

「うーん、もうちょっと探してみる。もうこの時間だし寝れればいいからもっと安い所が良いな」

「いくらで探してるんだい?」

500

「うーん・・・500か・・・ちなみに何泊?」

「1泊だけ」

「何時に出る予定?」

「友達迎えに来るまでだから正確には分からないけどたぶん10時とかだと思う。遅くても昼には出る」

「そうか!滞在時間も短いんだな。ちょっとオーナーに聞いてみてやるよ」

 

メインバザールの通りから1本入ったところにあるゲストハウスだった。

客引きとオーナーが相談して500ルピーにしてもらった。

 

私の部屋は4階で、そこにたどり着くまでにインド人が何人かタムロしてた。

どうしよう、この人達が私の部屋に入ってこようとしたら・・・

 

「さあ、ここだよ。どうぞ」

通された部屋はとてもキレイでテレビもタオルもついててすごくいい部屋だった。もちろんシャワーもトイレも部屋についてる!

ここ500ルピーは逆に申し訳ない・・・

部屋あけてるよりはってことなんだろうと思う。

 

今日着てたものをサッと洗って就寝。

 

列車での移動はすごく疲れたしもう誰も話しかけてくるんじゃねぇ!!ってなってたけど、タクシーのオヤジがいい人だったし、いいゲストハウスに泊まれたしご機嫌で就寝。

 

ちょっとのことで機嫌が変わる。

 

9日目終了。