なつかしの味を求めて 6年ぶりにアユタヤに行ってきた【2018ソンクラン3部作】

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タイの観光地といえばアユタヤを思い浮かべる人も多いと思います。
タイに5年も住んでいるくせに私は一度しかアユタヤに行ったことがありません。
しかもその1回はタイに住んでからではなく、タイに住む前に一瞬バックパッカーだった頃の時代のことでした。
2018年ソンクラン私はアユタヤへ再び行ってみることにしました。

アユタヤにはなんと世界一おいしいパッタイがあるんです!←私調べ
そのパッタイにはトマトが入っていているのがとても印象的でした。


言ってしまえば邪道ですよね。こんなのパッタイとは認めないって人もいるかも知れないけど、衝撃的なおいしさでした。
それまで私はカオサンロードの道端パッタイ屋が出してくれるパッタイパッタイだと思っていたから、なんというか全く別物で驚きました。
このパッタイはアユタヤで泊まったゲストハウスのお母さんが作ってくれたもので、レストランとかタイ料理やさんのものではありません。
アユタヤで過ごした3日間ほとんど毎食そこのパッタイを食べました。
旅で残り10日ほどをタイで過ごし、色々な街でパッタイを食べてみましたが、そこのゲストハウスを超える美味しいパッタイには出会うことができませんでした。その1年後、私はタイで暮らすことになり、そこからさらに5年間タイで生活していますが、それを超えるパッタイには未だに出会えていません。

そういうわけで、ハードルが上がりに上がっている中で私は今回なつかしのマイベストパッタイを探しに行くことにしたのでした。

ソンクランにアユタヤに行く目的は水掛けまつりへの参加ではありません。

あくまでマイベストパッタイを見つけることです。

もうかれこれ6年も前のことなのでゲストハウスの場所もゲストハウスの名前も覚えていません。覚えているのは市場が近かった気がするというくらい。残っているのはゲストハウスの写真。

アユタヤにつけば何となくたどり着けるかもしれないけど、アユタヤに行くまでに目星だけでも付けておきたい。
写真を見るとなんと私はゲストハウスの看板を写真に収めているではないですか!!


PUGUESTHOUSE?ネットで検索するとたくさんの情報が出てきます。
ただ、なぜか建物が黄緑色。
なんかこれじゃない気がする。でも、建て替えたのかもしれないし・・・プールの写真が載っているけど絶対建て替えたとしてもプールなんてない気がする。PUじゃないのか!?だったらこのゲストハウスはどこなんだ・・・
もう一度写真をよく見てみると矢印があってこの先にPUゲストハウスがあるよっていう看板だった。ということはここはPUゲストハウスから40Mのところにある別のゲストハウス?グーグルマップを拡大していくとto-to houseというゲストハウスが出てきました。写真を見ると・・・これだ!!私が泊まっていたゲストハウスはto-to houseというゲストハウスというらしい
私は全然関係ないゲストハウスの看板を思い出として写真におさめていたみたいです。せめて自分の泊まっているゲストハウスの名前くらいはちゃんと分かっていようぜ。6年前の私・・・

■アユタヤ到着後

地図を見ながらおそらくここだろうっていうところまで歩いていきます。ほんとにここがアユタヤか?私が6年前に来たアユタヤとなんか全然違う気がする。というか、あ!ここ懐かしい!!知ってる知ってる!!みたいな記憶に残っている部分がまるでないんですよね。その当時アユタヤが洪水したあとで活気がなかったのも関係あるかもしれない。

きっとこの角を曲がってまっすぐすすめばtotoに着くはず!!
あった!!ここだ!!間違いなくこのゲストハウスだ!!
でもゲストハウスに人影はない・・・

しばらくゲストハウスの奥を覗き込んだりしていると、おじさんが通りかかって声をかけてきた。
「どうしたの?」
パッタイが食べたくて!!」
「それならあっちの店で食えるぞ!あっちだ!」
いや、そうじゃない私が食べたいのはパッタイではなくてここのゲストハウスのパッタイなのだ!!A padthai ではなく the padthaiなのだ!
ちょっと聞き方が悪かった。おじさんが行ったあともモジモジとゲストハウスの前で誰かが来るのを待っていた。

またしばらくするとおねえちゃんが通りかかった。これを逃すともうだめかもしれない。
「すみません、私この人探してまして・・・この人いますか??」
そして印刷してきた写真を渡す。
「ああ!この人ならいないよ。あ、いないっていうのは今いないっていう意味で、この人の娘ならいるからよんであげる。ちょっとまってて!」
なんと!!!お母さんいるらしい!!そしてしばらくすると出てくる娘さん。たぶん23~4ってところだろう。
「どうしました??」
「実は私6年前にここのゲストハウスに泊まっていて、毎日ここのパッタイを食べていて今日はパッタイを食べに来たんですけどこの方おられますか?」
「今シャワー浴びてるから5分くらいで来ると思います。ちょっと座って待ってくださいね!」

待っている間なんだかめちゃくちゃ緊張した。
昔会ったことのあるおばちゃんに会うのにも緊張するんだから、生き別れの兄弟とかを番組で探してもらうのって胃に穴があくほど緊張するに違いない。
そしてお母さん登場!!
階段から降りてきたお母さんは誰だこいつ?という顔をして首をかしげていた。
「すみません、突然お邪魔して。実は6年前に旅行でここのゲストハウスに泊まってて、お母さんのパッタイがすごく美味しかったからもう一度食べたくて来ました。これその時に撮った写真です。」
「そうだったんだ!!あなた太ったわね。私も太ったけど!!」
「そうですよね!!もう6年も前の話なので・・・お母さんのパッタイすごく美味しくて、今まで食べた中で一番美味しかったんですよ。実はその旅行の1年後にタイに来て今はバンコクで働いています。」
「今バンコクにいるの!?だからそんなにタイ語がしゃべれるのね」
「そうなんですよ!6年前に来たときはタイの旅行の3日目で私はサワディーカーとコップンカーしか喋れなかったんですよ!!だから私はアロイが美味しいだって意味も分からなくて、お母さんが私がパッタイ食べてる横でいつもアロイマイ?って聞いてたから、私はアロイマイがおいしいって意味だってしばらく勘違いしてたんですよ!!今はあの頃よりはしゃべれるようになりました!」
「うんうん、そうなんだね!!その時のことは覚えてないけどそうだったんだね!!」
そうなんだよ。私がアロイという言葉を覚えたのは実はこのゲストハウスで(間違って覚えたから正確にはここではないけど)、それをタイ語で説明できるのがすごく感慨深かった。
お母さんと6年前と今の話をしていたらお母さんの知り合いが通りかかるたびに
「このこうちのパッタイが忘れられなくて6年ぶりにたずねてきたのよ!」
と紹介してくれた。お母さんもちょっと誇らしげに見える。
「さて、ムービン。パッタイ食べに来たんだよね!?今から作るんだけど、作り方教えてあげるから自分でやってみる??
「いいんですか!?おねがいします!!!」
不意にはじまる料理教室。


「普通のパッタイはこの野菜を入れるんだけど、うちで作ってるパッタイにはトマトやキャベツをいれてるの。ファランはそっちのほうが好きみたいだから。たぶんあなたに出したのもそれよね?」
「はい!トマト入ってたの覚えてます!!トマト入ってるの珍しいなって思ってました!!」
「じゃあまずはこれを切って、量はこのくらい。こんなかんじで・・・」
そうして出来上がったパッタイがこちら!!


こんなだったか!?すごく具だくさん!!私が作ったから!!
私これ大好きなんだけど、たぶん一般的なパッタイとは味も見た目も全く別物だなって思いました。
名前つけるならパッタイファランと言ったところか。
おいしい!大好き!パッタイファラン!!
もうパッタイ食べたしアユタヤに思い残すことはありません。←まだ水かけてない

第二部 Twitterがちょっとだけバズった話編につづく