デリーとか階段井戸とかシク教とか ひとりぼっちインディア10

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これまでの話

砂漠の街ジャイサルメールから列車に乗り、車内でオヤジにキスされたり、知らない人と知らない知り合いとのスカイプ電話に出たり大変な思いをしながら22時間かけてデリーに到着したのでした。

 

前回の話

旅の目的

1日目

おはようございます。7時です。

もうどこを向いても朝日の見ようがないこのコンクリートジャングルメインバザール、おかげでなんの気後れもせず爆睡できました。

 

今日はバックパッカー時代にカオサンで知り合った友人さやかさんと再会するというイベントがあるので朝からウッキウキです。

出会ったのが24歳、カオサンでお互い女一人旅をしていて知り合って、私は東南アジア一周中、向こうが世界一周中、それで今私がタイで働いていて、向こうはインドで働いている。何年かに1回タイに遊びに来てくれて、その時遊んだりごはんに行ったり。

で、今回私がインドで再会でしょ?会うときはいつもどちらかが旅の途中。私はさやかさんに会うと一気に旅人な気分になるんだ。実際カオサンで会った時の旅で一緒にいたのって2日か3日かだけだったんだけど、その時の友達とこうやって交友が続いているのはありがたいことだなって思ってます。

そして今回はさやかさんのお家に泊めてもらうことになってる!

 

12時目標で迎えに行くよ~とのことだったのでそれまでフリー。

デリーは初日に1泊したけどディワリ真っ最中で平常運転な感じじゃなかったし、まだゆっくりこのあたりを見られていない。

とりあえずはメインバザール周辺を歩いて散策することにした。

 

出発!!

ホテルを出ると、もう人で溢れているメインバザール。

忙しそうに動き回る人。

観光できてるインド人はみんなおそろいの帽子をかぶっていてかわいい。

誰にも邪魔されずに眠りたい犬。

その結果がこんな場所。

車の上で眠る犬なんてはじめて見たよ。ネコかよ!

 

そんなツッコミどころとごちゃごちゃした風景を眺めていると細身の男から声をかけられた。

「やあ、旅行できたの?ここの朝食はうまいんだぜ。その上安い!レストランに入ると同じものがこれの3倍とかの値段になるんだ。だから君もここでご飯食べるといいよ!」

「へぇ、美味しそうだね。私も1つもらおうかな。」

「このノーマルなやつでいい?チャイもいる?おいオヤジ!このこにあれとそれを1つずつ!それで君はどこからきたの?」

「タイからだよ。私は日本人だけど、今はタイに住んでる。で、ラジャスタンの方を旅して、昨日ジャイサルメールから戻ってきた」

「そうか!ラジャスタンうそつきばっかで大変だっただろ?まあ、デリーもそんなもんだけどな!ドゥーユーアンダースタンドミー?」

出た!デリーの人のラジャスタンディス!!言うほど悪くなかったけどね。親切な人多かったし。

「どこ泊まってるの?この近く?なんてホテル?」

「そうだよ。ホテルの名前は忘れちゃった。あっちの方。わかんないよね?ホテルいっぱいあるし」

てか、この人何者なんだ?接客してないからこの屋台とは無関係っぽいし。

「あ、お前の朝ごはんできたみたいだよ。さあどうぞ!」

 

出てきたのがこのパン。パンにたまごかけて焼いてあるもの。フレンチじゃないカンジのフレンチトースト。

素朴な味でインドインドしてなくて今の私には最高!

「これ美味いね!」

「そうだろそうだろ」

そういって私が食べているのをそばで眺める。てかキミはいったい何者?リキシャ?

「ところでさ、このあとどこいくの?」

「あとで友達と待ち合わせしてるからそれまで近くを散歩するつもり」

「そうなんだ!だったらこの近くにデパートがあるんだけどそこがオススメだよ!そこはなんでも手に入るし、しかもローカル向け価格だ!ドゥーユーアンダースタンドミー?」

歩いていける距離をすすめてくる?となるとこやつ、リキシャではないのか?

「うん、分かるけど、お兄さんはリキシャの人?」

「違う違う!オレは旅行者でカシミールから来てるんだ。2週間くらいここにいるよ。ドゥーユーアンダースタンドミー?だからキミをリキシャに乗らせたいとかそういうのではないんだ。ドゥーユーアンダースタンドミー?ボクも時間あるからこの辺を案内してあげたいなって思って!ドゥーユーアンダースタンドミー?」

いや、分かるけど!!ドゥーユーアンダースタンドミー口癖うぜぇ!!

「そうなんだ~でも私友達との約束あるからあんまり遠くにはいけないんだよ。時間もないし。ゴメンね」

「それって男?インドの男はあまり信用しないほうがいいぞ!気をつけろよ!ドゥーユーアンダースタンドミー?」

お前もインドの男だろ!今まさに超絶警戒しとるわ!

「ううん、日本人の女の子だから心配しなくても大丈夫だよ!ありがとう!じゃあ私行くね!ごはん美味しかったよ!やすかったし最高!じゃあね」

「ちょっと待ってよ~デパートすごく楽しいよ!きみもお土産買わないといけないだろ?このへんで買うよりそっちの方が絶対安いって!ドゥーユーアンダースタンドミー?」

「そうなんだ~でも今はいいかな」

といって歩きはじめ、市場の風景を写真に撮る。

「そうそう、そこの角曲がったとこだよ!ドゥーユーアンダースタンドミー?」

うぜぇええ!!!

まあ、悪いやつではないと思うんだけど、愛すべきウザキャラなんだろうけど!めんどくさい!まず口癖ドゥーユーアンダースタンドミー?なのがめんどくさい。一文ごとにつけてくるのがうざすぎる。

「あ、友達来たみたい!ホテル戻るわ!またね!」

「え!行かないの!おーい!」

さらば、ドゥーユーアンダースタンドミー。

 

私は引き返した先の角を曲がって、また曲がって、さっき進もうとした場所の方角まで戻ることにした。

もうドゥーユーアンダースタンドミーはいなかった。

そこは市場になっていて、肉のブロックやこれから肉になる鶏、野菜やたまご、お菓子、香辛料などなど色々なものが売られている。

 旅行者の私が欲しいものはないんだけど、地元の人がクラス風景を見て歩くのが楽しい。

 

私が客ではないことを店の人も分かっているからそんなに声もかけられないし快適だ。

 

しばらく市場を散策してゲストハウスに戻る。

チェックアウトに備えて荷物をまとめ、友達が迎えに来るまでインドのテレビを見て待つことにした。

 

コンコン

 

ノックの音がする。

誰だろう。レセプションの人かな。

 

ドアをあけると、さやかさんが立っていた。

 

「ひさしぶり~レセプションに日本人泊まってる?って聞いたらそいつなら502だって言われたから上がってきちゃった!そんなに簡単に教えるなよってかんじだよね~」

「おお!!さやかさんお久しぶりです!!LINEかなにかで連絡来るかなって思ってたんでびっくりしました!」

「いい部屋だね~!ここ一泊いくらだったの?」

「ここ500ですよ!それにしてはテレビついてるし部屋も広いし良くないですか??」

「このへんでこのクオリティーの部屋500ルピーだとなかなかないと思うよ!よく見つけたね!」

バックパッカー仲間なのですぐに宿のクオリティーの話になる笑

去年バンコクで会ったから1年ぶりだったけど全然そんな気がしない!

 

「今日このあとだけど、階段井戸って知ってる?この近くだからそこいってみない?」

「めっちゃ行きたい!!でも、それってジャイプールにあるんじゃなかったですっけ?」

「有名なのはジャイプールみたいなやつだけど、小さいのが結構色んな所にあってその1つがこの近くにあるよ!」

「おおお~!!ホントですか!!実は階段井戸すごく行きたかったんですけど、ジョードプルジャイサルメールに行くともう時間に余裕がなくてあきらめたんですよ!まさかデリーにもあったとは!!」

 

レセプションに荷物を預けてチェックアウトをし、さやかさんと階段井戸まで歩いていく。

途中にあった壁の落書きがオシャレすぎる!

 

 そして階段井戸に到着!

見て!

この世界観!!ドラクエか!!

見て!

見て!

見て!

 

私階段井戸大好きだ!次インドに来るときはインド中に散らばる階段井戸探しの旅とかでも面白いかもしれない。

 

インド人も楽しそうに写真撮ってた。

そして、その近所にさやかさんオススメのシク教の寺院

インドに来る前のインドのイメージって、白いターバン巻いた髭のおじさんがカレー持ってるカンジだったんだけど、実際にインドに行くと意外とターバンを巻いてる人はそんなに多くなかった。

 

実はターバンを巻いているのはシク教の人らしくってインドでも一部らしい。

シク教の寺院は誰でもウエルカム感がすごくて、謎のホスピタリティに感動した。

 

・明らかに異教徒の私達がふわって入っていっても全然なにやつ感を出してこない

・靴を預ける場所があって靴を渡すと、それを預かって靴箱にしまって番号札渡してくれる

・来た人みんなにご飯をふるまう。異教徒だろうがだれにでも!

 

しかも拝観料や食事代全部無料!!

すごくないですか??少なからず人件費かかるわけですよ。

靴箱の管理の人だってそこだけで10人くらいはいたし、ごはんだって作るの労力かかるじゃん?

同じシク教を崇拝するもののために、とかならまだ分かるんだけどね。信者からのお布施でやりくりするとかさ。

でも関係ない人みんなに同じことをやるんだよ!すごくない??

私が、何かしらの教祖だったとしたら身内以外の面倒見るのめんどくさくて絶対やりたくないと思う。

 

すごい宗教だなってちょっと感動した。

それと寺の敷地にお土産屋が出ていてシク教Tシャツとか売ってた。1枚買った。

 

シク教のお寺からメインバザールに引き返す。

もうそこそこいい時間になっていた。

 

ホテルで荷物を受け取ってさやかさんの家に移動。

ここからはモノレールに乗っていく。

 

駅に向かう途中歩いていると声をかけられた。

「おい!ムービン!戻ってきてたのか!」

「あ!ヘナの兄ちゃん!」

そう、1日目に値段言った言ってないでもめて警察呼ぶぞって喧嘩して仲良くなったヘナの兄ちゃん!

彼が出てきた話は1日目を参照ください。

「おお!今からここを出ようと思ってたんだよ!会えてよかった!」

「今日はヘナしないのかい?」

70ルピーパーインチでしょ?もういいよ!」

「ははは!気をつけてね~また寄って!」

 

なんかすっごくなつかしい!!

最後に会えて良かった!!

 

そこから電車に乗ってさやかさんの地元駅まで移動して、夕飯を食べに行った。

ちょっといいインド料理とイタリアンバーどっちがいい??というさやかさんの質問に迷わずイタリアンバーを選択。

最後の夜にもかかわらずインド料理をパスする私!

何がなるべくその国のものを食べる自分ルールがありますだ!ばかやろう!

 

まあ、でも今回はしょうがない。笑

 

ご飯を食べながら話すのは、出会った当時の旅の話、それから今の仕事の話、海外で暮らすのがああだとかこうだとか。

インドとタイで住んでいる国は違うんだけど、共通点は結構多くて話もすごく盛り上がった。

 

結構しっかり酔っ払って就寝。

 

10日目終了