クロントムの野良ネコ定点観測記録2018年8月1週目【土曜日のネコたちへ】
毎週土曜と言っていながら日曜だったり平日だったり、週に2回行ったり間隔がバラバラのこの観察記録。
今週は土曜の昼にハードに動き回って、1回家に戻ったらもう2度と家から出られないテンションになってしまって、結局日曜にやってきました。
ネコスポットに入って一番最初に見つけたのがミケちゃん。
隠れてることが多いから最初にミケちゃんを見つけるのはなかなかのレアパターン。
おお!ミケちゃん元気!?と、手をのばすと、
うわっなになに!?て顔をしたけど、
しばらく間をあけてなでたら今度はおとなしく頭を差し出してきた。
この子は通りすがりの知らない人にはビビるけど、
大丈夫なひとだなって分かるととことん甘えてくるタイプ。
それから、ミケちゃんの斜め後ろの電気屋さんの商品の入っている箱からこちらを眺めてくる、ハチワレちゃん。
今気づいたぞ。そんなところにいたのか!!
我が物顔で箱を使って、数分後にネコおじさんにやさしく追い出されていた。
一段高い商品棚に昼寝するブチくん。
生後一ヶ月で一番やんちゃだったブチくんは、意外にも落ち着いたネコに育った。
全力で前に出てくるのではなくて一歩後ろから他の兄弟達が遊んでる様子を見てから、自分も参加するかんじ。
なんというか、慎重なんだよね。
ここで私は今日まだしろちゃんを見ていないことに気がつく。
いつもならお腹が減っていようがいまいがとりあえず、出てきてピエ~と足元で鳴いているのに今日はこない。
もしかしてオネエさんが昨日連れて帰ったのか?
周りを探してみると商品だなの下の足元にうずくまっていた。
呼びかけても反応がなく、じっとうずくまっている。
毛がボサボサ。元気がない。
通りすがりのネコおじさんに白ネコ病気なの?と声をかけると、
「そうなんだよ~全然食べないし、たぶんもうすぐ死ぬと思う」
と言われてしまった。
クロントムではたくさんねこが生まれて、そしてたくさん死んでいく。
だから、ネコおじさんが冷たいんじゃなくて、ネコが死んでしまうことにみんな若干慣れているところがある。
暑くなったり寒くなったり、雨が降ったり、不衛生だったり、体調崩す要因はいくらでもあるし、みんな餌をあげて名前をつけて呼んでいたりはするけど、結局は野良だから病院にまで連れて行くことはほとんどない。
かわいそうだね。とは思うけど、たぶんみんなネコの面倒をみるほどの余裕もないし、ネコがいすぎてキリがない。
ネコおじさんは平日はほとんどクロントムで野宿してるし。
で、そういう私もコンドでネコ飼えないからとか、猫アレルギーがあるからとか、いつまでタイにいるかわからないしとか、家をあけることもあるからネコ飼えないとか、ありとあらゆる言い訳を並べて、結局いつもよりも様子を見に行く回数を増やすくらいしかしない。
ネコからしたら、お気持ちは嬉しいけど全くなんの役にもたたない状態でしかないのに。
いや、もしかしたらしんどいときにまわりででかいのがウロウロしていてうざいだけかもしれない。
でも私にできることはそれくらいしかない。
ボロボロのシロちゃん眺めていたら、いつもおかしくれる屋台のおばちゃんが通りかかって、
「ああ、ムービン。昨日あんたこなかったでしょう?それでいまきたの?ああ、その子ね。かわいそうよね。たぶんあんま長くないと思う。」
ってやっぱりみんなずばっとたぶんこいつだめだよって言ってくるんだ。
そんなの私も見れば分かるけど!!
そんなはっきり言わなくてもいいじゃないですか!!
いや、このおばちゃんはめっちゃいい人だし、全然悪気ないし、そもそもネコたいして好きじゃないのにそこで屋台をはじめる前から私がその場所で毎週ネコと遊んでるの知ってて、追い払わずにいてくれてるから、それだけで感謝すべきなんだけど。でもさ・・・
「元気ないよね。どうしたんだろ。」
「たぶん、誰かが毒まいたとかではなくて風邪だと思うよ」
「そうなんだ・・・私病院連れて行ってもいいかな。この近くに動物病院ない?」
「あるわよ。そこの前の道を真っすぐ歩いていったヤワラーのあたりに果物いっぱい売っているところあるでしょ。そこを左に曲がると動物病院があるよ。」
「ありがとう、やっぱり心配だから病院連れて行ってみる。」
「ちょっと待ちな!抱きかかえていくの大変だろうからこれにくるんで行きなさい。」
そういっておばちゃんのエプロンをくれた。
これを風呂敷代わりに動物病院まで運んでいく。
ありがとうおばちゃん!!
運んでいく途中にシロちゃんがハッと気がついて暴れる場面が何度かあったけど基本的には弱っているのでおとなしかった。
googleマップを見ながら進んでいったけど、一見動物病院に見えないような建物だったし、前に屋台がいっぱいあったからmap見てなかったら通り過ぎてたと思う。
「すみません。ネコが調子悪いんですけど・・・」
古ぼけた院内。
でも動物の匂いとかはしないし、不衛生な感じもしない。
お客さんは誰もいなくてとても静か。
カウンターに35~6のお兄さんがいて、私に声をかけてきた。
「どんな症状?」
「元気がなくて、ご飯食べないらしいです。あと目やにとか鼻水とか。」
「いつからこんな状態?」
「わかんないですけど、先週は元気でした。」
「?いつから飼ってるの?」
「飼ってないです。毎週見に行ってて、今日すごく元気ないから連れてきました。」
「そうなんだね。分かった。じゃあ、これに記入して」
渡された用紙は問診票みたいなものだったけど、外国人の私に理解が難しい項目もあったようで、いくつかの項目で上からボールペンで英語が書き加えられていた。
そこだけ書けばいいらしい。
飼い主の名前、住所、電話番号、それから飼い猫の名前。
名前、、、どうしよう、、、とりあえずSHIROと書いた。
私が問診票を書いている間にシロちゃんは体重を測定したりなんやら色々して、別室に連れて行かれた。
それで私は座って待つように言われた。
たぶん10分程待って、シロちゃんと看護婦さんが戻ってきた。
鼻水と目やにで固まった顔や、汚れた手足をふいてもらって、きもちキレイになって戻ってきた。
まだまだ汚れてはいるけど、弱ってるしたぶんそんな念入りにできなかったんだと思う。
看護婦さんから「明日また来てほしいんだけど来れますか?」ときかれ、
「仕事があるので難しいです。」と答えた。
病院に行けばやってくれることを病院に行かない代わりに自分でやらなくてはならない。
・一日2回朝と夕方1週間毎日薬をあげてください。このスポイドで0.25です
・よわっていてごはん食べないと思うので、柔らかいごはん(つまりチュールのようなもの)を口の横の隙間からゆっくり流し込んでください。
・もし、来週良くならなかったらまた連れてきてください。
この3点を言われた。
他にもなんか色々言われたけど、私にはわからなかったから、んん?なに?書いて?といったら
カウンターのお兄さんが突然日本語で「カラダ、ヨクナイ。」みたいなことを片言な日本語で説明してくれてけど、
さして重要なことではなかったらしい。
日本語喋れたんですか!?と聞くと、「スコシ」と言っていた。
これで診察は終了。
薬と薬用のスポイド、餌用のスポイドをもらって510Bだった。
とりあえず診察は無事に終わって、治らなかったら来週も来てねくらいのテンションだったからクロントムのみんなが言っていたみたいに死まで秒読みという状態ではないんだと思う。
もしかしたら私がそこを読み取れなかっただけかもしれないけど。
私がネコを飼えない理由が山のようにあるけど、とりあえず朝晩2回薬をあげるという大役が私にはあるので連れて帰ることにした。
すみません、なんでもいいんですけど連れて帰るのにダンボールが欲しいので1つ分けてもらえませんか?
とお願いすると、ちょっと待っててくださいね!と言ってチュールが入っていた小さなダンボールを1つガムテープで補強してくれた。
小さな箱だったけど、小さなシロちゃんにはちょうどよかった。
ここの病院の人はみんな感じよくてよかったです。
BTSは手荷物検査で絶対引っかかるだろうなと思ったので、タクシーにのって帰ろうと思ったけど、オンヌット?300でどう?みたいなドライバーしかつかまらなくて、そうこうしてたら家の前を通る25番が来たからそれに乗った。
バスは揺れるし、けっこう大きな音がするから心配だったけど大丈夫だったみたい。
家について箱を開けるとシロちゃんはどこやここ!?ってキョロキョロしてたけど、やっぱり疲れているみたいですぐに寝た。
服を入れていたプラスチックのケースにTシャツをひいて、その上にシロちゃんをのせた。
私はネコを飼ったことがないので、トイレのしつけとかってどうやったらできるんだろうとか考えながら、散らかっている部屋を眺めた。
必要なものを揃えないといけないし、わからないことを調べないといけないし、部屋を片付けないといけない。
これからしばらく忙しくなりそうだ。